特許権の侵害
【目次】
特許権の侵害でよくある法的トラブル
・「競合他社が、自社製品にそっくりな製品を売っている」
・「自社独自の技術、ノウハウが他社に使われている」
・「他社に、自社の技術の盗用をやめさせたい」
・「自社が被った損害を賠償してほしい」
・「相手企業に、類似商品の販売を辞めるように言うと、「特許権の侵害には当たらない」と言われた」
・「特許権侵害訴訟を起こしたい」
・「権利を侵害されているので、他社の特許を無効にしたい」
このようなトラブルやお悩みがある場合、まずは弁護士にご相談ください。
特許権侵害を受けた場合の対処方法
特許権侵害行為の差止め・特許権侵害物の廃棄や設備の除去
自社が特許を取得していても、他社が無断でその技術を使用して、商品を開発したり販売したりすることがあります。
この場合、相手企業に対し、特許権侵害にもとづいて、技術利用の差し止めや、損害賠償請求を行うことができます(特許法100条)。現に侵害行為をしているものだけではなく、侵害をするおそれのあるものに対しても、差し止め請求は可能です。
また、特許侵害に使われたものや生産物についても、廃棄や設備の除却などを請求できます。
特許権侵害の損害賠償請(損害額の推定)・不当利得返還請求・信用回復措置
次に、特許権を侵害して模倣品を製造、販売している相手に対し、損害賠償請求をすることができます。特許権侵害の場合、損害額が推定されるので、通常の民法による不法行為にもとづく損害賠償よりも立証の負担が軽減されています(特許法102条)。
相手が不当に利益を得ている場合には、不当利得返還請求も可能ですし、信用回復措置を要求することもできます(特許法106条)。
刑事罰(刑事告訴)
特許権侵害には罰則も設けられているため、刑事告訴をして処罰を求めることも可能です(特許法196条、201条)。
特許権侵害が問題になった事例
特許権侵害が問題になった事例としては、発光ダイオード訴訟が有名です。
これは、日亜化学という会社に在籍していた中村修二氏が、在籍中に発明した発光ダイオードの特許権が、日亜化学か中村氏のどちらに帰属すべきかが争いになった事件です。
一審では、日亜化学側に200億円の支払い命令がでましたが、最終的には、8億円で和解しました。
このように、世間で広く普及している技術を巡って特許権侵害のトラブルが起こると、非常に大きな金額の賠償金が発生することがあり、企業に対する影響も大きくなります。
特許権侵害を弁護士に依頼するメリット
侵害が起こっているかどうか、的確に判断できる
特許権を侵害されたと考えて相手に差し止めなどを請求しても、相手からは「侵害行為に該当しない」と反論されることが多いです。
実際に権利侵害に当たるかどうかの判断は、専門家であっても難しいケースがありますから、専門家でない企業が自社で判断することは困難です。弁護士に相談をすると、本当に権利侵害が起こっているのかどうか、的確に判断できるので、次にとるべき行動が明確になります。
スピーディーに対応できて、損失を最小限に抑えられる
実際に特許権侵害が起こっているなら、一刻も早く侵害行為をやめさせる必要があります。
弁護士に対応を依頼すると、すぐに内容証明郵便によって相手に警告書を送付します。弁護士名で内容証明郵便が届いたら、自主的に侵害行為を控える会社も多いので、弁護士に依頼するメリットは大きいです。
相手が任意には技術利用をやめない場合には、弁護士に依頼して、訴訟を提起することも可能です。
手間が省ける
特許権侵害を受けたら、まずは特許権侵害があるかどうかを調査して、相手に対して警告を発止、交渉を行うことが必要です。話し合いでは解決できない場合、訴訟を起こす必要があるケースもあります。
このようなことは、企業にとっては、大きな手間となり、経営に支障が及ぶこともあります。弁護士に対応を依頼すると、弁護士が代わりにすべての手続を行うので、企業が労力を割く必要がなく、経営に専念できます。
特許権侵害を警告されても適切に対応できる
特許権については、自社が侵害する側になることもあります。自社としては侵害しているつもりがなくても、他社から「特許権侵害をしている」と主張されて、差し止めや損害賠償をされることも頻繁にあります。
このような場合、早急に回答をしないと訴訟をされてしまう可能性もあるので、一刻も早く対応を検討しなければなりません。
弁護士に相談していたら、本当に権利侵害が起こっているのかを適切に判断して、訴訟の見通しを慎重に検討し、適切な対応をとることができます。
このことにより、無駄な争いを防ぐことも可能となりますし、相手の不当な要求に屈する必要もなくなるので、大きなメリットがあります。
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弁護士 川村勝之
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