【弁護士が解説!】フォトウエディングの著作権で押さえるべき2つのポイント
フォトウエディングや結婚式で撮影した写真・映像を使用したいけれど、以下のような疑問を抱かれる方も少なくないのではないでしょうか。
・「無断で使用していいのだろうか」
・「撮影した写真を使用するときはどうすればいいのか」
そこで今回は、結婚式で撮影した写真を使用するときのポイントや注意点を紹介していきます。起こりうるトラブルも例に挙げながら解説しているので、写真の使用で悩んでいる人はこの記事を参考にして著作権を守っていきましょう。
【目次】
フォトウエディングの著作権で押さえるべき2つのポイント
著作権に関するトラブルを目にすることは多いですが、中でも写真をめぐる問題が後を絶ちません。
写真には、著作権を有する著作者と肖像権を有する被写体(撮影された人)が存在し、双方の承諾のもと利用者は写真を使用することができます(例外除く)。
フォトウエディング(写真で残す結婚式)の著作権のトラブルのパターンとしては、
・権利者に無断で公開されてしまうケース
・契約の使用目的範囲を超えて不正使用されるケース
などがあります。
(1)結婚式で撮った写真を無断で使用することは著作権の侵害にあたる
フォトウエディングに関連する著作権や肖像権のトラブルは、関係者の視点や状況によって異なります。
たとえば、結婚式やフォトウェディングの写真を新郎新婦の友人が無断で印刷や配布した場合、著作権と肖像権の両方を侵害することになります。
写真の著作権はカメラマン・写真館などに帰属するため、無断でその写真を複製して配布する行為は著作権侵害です。
また、肖像権は個人のプライバシーを守る権利であり、無断で公開されることは許されていません。
友人が結婚式の写真を無断で配布した場合、新郎新婦の肖像権を侵害することになります。
ほかにも、フォトウエディングの写真を撮影した写真館が、事前の許可なしに自社の宣伝目的でウェブサイトに掲載した場合も肖像権の侵害となります。写真館が写真の著作権を持っていても、肖像権は新郎新婦に帰属するため、許可なく使用することはできません。
同様に、新郎新婦が撮影者の許可を得ずに写真をSNSに投稿すると、著作権侵害に該当します。投稿する前には、必ず撮影者から使用許可を得る必要があります。
このように、フォトウエディングの写真は、誰がどのように使うかによって、著作権や肖像権が侵害される可能性があります。権利を守るためには、事前に契約書や許可内容をしっかり確認し、写真を使用する際は適切な手続きを行うことが重要です。
(2)プロフィールブック作成時の著作権侵害に注意
結婚式のプロフィールブックは、新郎新婦の人柄やこれまでの歩みを伝える大切なアイテムです。しかし、提供された写真やイラストを使って作成する際には「著作権侵害」に注意しなければなりません。
著作権とは、作品を生み出した人が持つ正当な権利で、音楽やキャラクター、イラストなど幅広い創作物に適用されます。この権利を守るため、私的な範囲を超えて無断で使用することは原則として許されていません。
「私的な範囲」とは、家庭内や限られた範囲内で使うことを指します。しかし、結婚式のように多くのゲストが集まる場では、この範囲を超えると判断されるのが一般的です。そのため、著作物を無断で使用することは避けるべきです。
一部の式場では著作権に対して比較的寛容な場合もありますが、リスクをともいます。違反が発覚すれば、新郎新婦が責任を問われる可能性があります。
結婚式を円滑に進めるためにも、使用したい著作物がある場合は、事前に式場や権利者に確認を取ることが大切です。
被写体本人がフォトウエディングを使用するケース
フォトウエディングの写真を使用する際には、肖像権と著作権について理解しておくことが重要です。
肖像権は被写体本人が有する権利ですが、著作権はカメラマン・写真館に帰属します。そのため、被写体本人が写真を使用する場合でも、著作権を持つカメラマンや写真館の許可を得る必要があります。
たとえば、家庭内などごく個人的に写真を使用する場合は問題ありません。しかし、結婚式で使うプロフィールブックなどを目的に使う場合は、個人使用の範疇を超えるため、著作権侵害となる可能性があります。
写真の使用は、契約内容によって制限が設けられていることが多いため、契約書をしっかり確認することが大切です。契約内容が不明確であったり、写真の使用方法について疑問や不安があったりする場合は、専門家である弁護士に相談することをおすすめします。
著作権を尊重し、適切に対応することで、トラブルを防ぎ安心して写真を活用できます。
キャラクターやイラストなどを使用するケース
結婚式のプロフィールブックや会場装飾にアニメやテーマパークのキャラクター、イラストを使用する場合には、著作権に関する注意が必要です。これらのキャラクターやイラストは著作権で保護されており、著作権者の許可を得ずに使用することは違法行為に該当する可能性があります。
たとえば、以下のようなケースは著作権侵害となります。
・人気アニメのキャラクターをプロフィールブックに掲載する
・テーマパークの公式キャラクターを装飾デザインとして使用する など
一方で、以下のような場合は著作権侵害には該当しません。
・著作権が切れている作品
・著作権の適用外であるイメージカラーの使用 など
ただし、これらは例外的なケースであり、大多数のキャラクターやイラストは著作権の保護対象です。そのため、使用を検討する場合は、事前に著作権者の許可を得るか、著作権の有無を慎重に確認することが重要です。
フォトウエディングを使用するときの2つの注意点
フォトウエディングで撮った写真を使用する時には、著作権と肖像権の問題から、双方の承諾が必要です。
不正使用や紛争をさけるために、契約により使用目的範囲を定めることができます。
私的使用のための複製(個人的にまたは家庭内など、限られた範囲で使用する時)には、特に承諾は必要ではありません。
注意点を知っておかないとトラブルに発展する可能性も
著作権法では、著作者は、財産的な権利と人格権的権利(一身専属権)を有すると定められています。(著作権法17条1項)。
著作権が財産的権利(11項目)であるのに対し、「著作者人格権(公表権・同一性保持権・氏名表示権)」は著作者が有する創作者としての感情を保護するための権利(一身専属権)です。
したがって、自分の肖像が写った写真でも著作者が別にある場合、その使用には承諾が必要であり、著作者もその使用にあたっては肖像権を有する被写体となった人の承諾が必要です。
このように、著作権の使用には原則承諾が必要ですが、著作権法で認められる例外規定(権利制限規定)として著作物を自由に利用できる場合もあります。
・私的使用のための複製(個人的にまたは家庭内など、限られた範囲で使用するとき)
・図書館等における複製(図書館等の利用者の求めに応じ、公表された著作物の一部を一人につき一部コピーする場合)
・引用(公表された著作物は引用して使うことができます。報道や批評・研究その他の目的が正当な範囲内であって、公正な慣行に合致するものでなければなりません。)
以上のように、写真等の著作物を利用するときには、著作権や表現の自由・肖像権(主にプライバシー権・パブリシティ権)・そして利用規約に注意を払わないと、思わぬトラブルに発展してしまう危険があります。
①誰が撮影したかわからない写真の使用は控える
配布サイトであっても、識別情報や権利関係の不明な著作物を使用すると、れっきとした著作権違反にあたってしまうので注意が必要です。
②FacebookなどのSNSに写メを無断でアップするのはNG
拡散しやすいSNSへのアップロードについては肖像権の注意だけでなく、そのSNSの利用規約の確認も大事です。
最近の規約では、「著作権はあなたにありますが、アップロードした写真はサービス提供会社が自由に利用できることとする」という旨の内容が多いようです。
とても重要で他人に勝手に使用されたくない写真は、アップしないほうが無難ともいえます。
フォトウエディングを使用するときに起こりにうる2つのトラブル
フォトウエディングを使用するときには、無断で公開されてしまうケースや契約の使用目的範囲を超えて不正使用されるトラブルがあることをご紹介しました。
万が一トラブルが生じてしまった場合には、前述したとおり、著作権・肖像権の問題として公開をストップさせたり削除させたりすることは可能です。
ただし、結婚式場や写真館に依頼して撮影してもらった写真の著作権はそのフォトウエディング事業者のものです。したがって、たとえば原版廃棄までは認められませんが、代わりに買い取ってもらうことは可能です。
どんなトラブルが起こりやすいのか知っておくことが重要
他人の撮影した写真を無断使用した場合、肖像権(主にプライバシー権・パブリシティ権)や著作権法で認められる例外規定(権利制限規定)の要件を満たさない限りは、原則として著作権および著作者人格権の侵害となります。
ただし、なかには「著作権フリー・商用利用OK」などとうたっている写真もあります。
もし、万が一誰かに「無断で使用されている」と訴えられたら、まずは速やかにその写真の使用を中止しましょう。
故意によるものと判断されてしまう場合もあるので、撮影者に合理的と判断される程度の利用料を払う必要があります。
①撮影者・事業者の許可を得ずに写真を使用してしまった
企業のサイト、パンフレット等で写真を無断使用することは法的にどのような問題となるのでしょうか?
他人の撮影した写真を無断使用した場合、著作権法で認められる例外規定の要件を満たさない限りは、原則として著作権および著作者人格権の侵害となります。
著作権侵害と認定された場合、差止め請求(サイトからの削除・パンフレットの回収および廃棄等・著作権法112条)、損害賠償請求(民法709条、同法719条、著作権法114条など)、場合によっては謝罪公告掲載など名誉回復等の措置の請求(著作権法115条)を受ける可能性があります。
また著作権侵害に対しては、民事的な制裁だけではなく、刑事罰もあり最高10年以下の懲役または(および)1000万円以下の罰金が科されることになります(著作権法119条など)。これは当該企業だけではなく、その担当者や責任者にも及ぶ可能性があります。
②撮影した写真に特定の商品・著作物が写ってしまった
撮影の対象ではないが、背景に他の特定の商品・著作物が小さく映り込んでしまうことはよくあります。
この場合、著作権の承諾は不要なケースが多いですが、鮮明に写ってしまった場合は、著作物等が特定されないされないように加工することがマナーとされています。
トラブルを防ぐためには、事前の確認と権利処理を徹底することが重要です。しかし、どれだけ注意を払っても、予期せぬトラブルが発生する可能性はあります。
万が一、著作権に関するトラブルが発生した場合は、速やかに弁護士に相談することが大切です。弁護士は、著作権の問題について迅速に対応するだけでなく、再発防止やリスク回避のための具体的で的確なアドバイスを提供します。
リフト法律事務所では、ブライダル・ウエディング事業者様をはじめ、ご結婚されるお二人と大切なご家族の未来を支えるためのサポートプランをご用意しています。フォトウェディングに関連する著作権の問題はもちろん、婚前契約に関するご相談にも対応しております。
オンラインセミナー等も実施していますので、ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ
リフト法律事務所は、『頼れる社外法務部』として、ブライダル・ウエディング業界のリーガルサポートを提供しています。
契約書・規約のチェックなどはもちろんのこと、新規事業におけるスキームが法的に問題ないか、またどのようなリスクが考えられるかを弁護士の観点から判断し、経営やビジネスの視点からも対策します。また、IT・DX化対応も積極的に行っておりますので、幅広くサポートすることができます。
さまざまな業界での経験や広い視野をもとに、ブライダル・ウエディング業界の各事業者様に寄り添った適切なサポートを行って参ります。
『依頼』ではなく、まずは『相談』から始めてみませんか。

弁護士 川村勝之

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