横領・個人情報漏えい・労災事故が刑事事件に?企業が知るべきトラブル対応策を弁護士が解説

 

 

企業に関連する刑事事件

・役員や従業員がプライベートで逮捕されてしまった

・会社のお金や顧客のお金を横領してしまった社員がいる

・会社が詐欺をしたと言われてしまっている

・従業員が個人情報を漏えいしてしまった

・著作権法や商標法に違反したと主張されている

・従業員から労働基準監督署に告発された

・労災事故が「業務上過失致死」ではないかと疑われている

・食品の産地偽装で捜査をされている

・粉飾決算や脱税で刑事事件に問われるかも知れない

・談合で独占禁止法違反と言われている

 

 

企業自身が刑事事件の「被疑者」となってしまうこともあります。

社会的な信用を命とする日本の企業にとって、刑事事件の対象となることは企業の存続に影響する重大な不利益であり、その不利益をできる限り小さくする必要があります。

 

また、企業自身が刑事事件の当時者とならない場合でも、役員や従業員がプライベートで犯罪をしてしまった場合に会社名が出てしまうことも少なくありません。

 

このように、企業自身、企業の従業員問わず、企業が刑事事件に巻き込まれてしまった場合には、一刻も早く弁護士までご相談ください。

 

1.企業に関する刑事事件

企業が刑事事件に巻き込まれるパターンとしては、以下の3パターンがあります。

 

①企業自身が犯した刑事事件:脱税、粉飾決算、業務上過失致死傷、独占禁止法違反など

②役員や従業員が犯した刑事事件:特別背任、業務上横領、不正アクセス禁止法違反など

③役員や従業員がプライベートで犯した刑事事件:飲酒運転、窃盗、暴行、傷害など

 

1-1.①企業自身が犯した刑事事件

法人を主体とした犯罪の場合、法人の代表者が罪に問われることはもちろんのこと、法人そのものにも高額な罰金などの刑罰が科される可能性があります。

 

また、企業が刑事責任を追及される事件は、個人の窃盗や暴行などの犯罪と比べて複雑で対応が難しいです。そこで、警察ではなく検察官が自ら指揮を執り、捜査を進めるケースが多くなります。

検察官は、事件を起訴するか等の処分権を有しており、裁判官や弁護士などと同様に、司法試験に合格した法律のエキスパートです。

 

実際、刑事裁判になった後も、企業が主体となる事件では、帳簿などの証拠・資料が膨大な量にのぼり、関連する人の数も多くなり、証拠調べや証人尋問に多大な手間と時間がかかります。

 

検察側は、訴追に十分な公判準備を整えてくるので、対応するためには弁護側も徹底した準備と防御活動が必要となります。

 

 

1-2.②役員や従業員が犯した刑事事件

法人自身ではなく、従業員が刑事事件を起こして逮捕されるケースがあります。

たとえば、従業員が顧客のお金を横領したり、不正アクセスによって個人情報を盗んだりした場合です。

 

この類型の場合、企業は犯罪被害者の立場となることも多いですが、従業員とともに被疑者になるケースもあります。

 

従業員の問題だから会社は関係ない」と考えて放置すると、企業そのものに対する社会の信用が大きく低下して、企業が多大な損害を受けます。

 

社会的な関心としては、従業員の不正に対して会社がどのような判断をしたのかという点は厳しく見られます。

また、過去の判断は将来的にも残るものとなり、同様のことが生じた際には、以前の対応が引き合いに出されることも少なくありません。

 

さらに、従業員の刑事事件に上司が関与していた場合等、企業自身が関与していたことを疑われた結果、企業が検挙される例もあります。

 

従業員が逮捕されたときには、捜査機関のみならず、企業としても独自に事実調査を行い、結果に応じた適切な対応をとる必要があります。

 

 

1-3.③役員や従業員がプライベートで犯した刑事事件

企業が刑事事件に巻き込まれる場合として、役員や従業員がプライベートで犯罪をしてしまい刑事事件となる場合があります。

 

役員や従業員の純粋なプライベート行為である場合には、本来的には、企業が法的な責任をとるものではありませんが、社会的な責任として、企業の責任が問題になることもあります。

 

最近では、従業員のSNSの悪ふざけの投稿で、企業が大きな損失を負ってしまうこともあります。また、痴漢、性犯罪、重大な事件など、被疑者の会社名が公表されてしまうケースもあります。

 

その場合、企業の事業とは何ら無関係な犯罪だとしても、痴漢をした従業員がいる会社、強盗をした人がいる会社などのレッテルがなされ、売上に影響する、人材採用に支障がでる、取引先から取引の終了を申し出される等、企業としても様々なダメージを受ける場合があります。

 

企業としては、役員や従業員がプライベートで犯罪をしてしまった場合でも、即座に対応方針を検討して、法的責任のみならず、社会的な責任をとったり、企業の対応方針を公表することも重要になってきています。

 

 

2.企業自身が刑事責任を問われた事例(オリンパス粉飾決算事件)

オリンパスが過去にM&Aを行った際、不透明な会計処理をしていたことから発覚した事件です。

 

同社はバブルが崩壊したときに多額の損失を出していましたが、歴代の経営陣はその事実を隠し、損失隠しを続けてきました。

この損失の会計処理のため、2008年にM&Aを利用して、投資の失敗による「特別損失」を計上し、損失の原因を偽装しました。

 

このことが発覚し、同社や役員、会長らが検挙されて最終的には刑事裁判となり、社長らに懲役3年執行猶予5年、前常勤監査役に懲役2年6月執行猶予4年、法人自身(オリンパス)に罰金7億円の判決が下りました。

 

オリンパスの信用は落ち株価も急落し、同社は多大な損害を受けています。

 

 

3.企業に関する刑事弁護を弁護士に依頼するメリットと必要性

刑事事件を過去に担当したことがある弁護士でも、企業に関する刑事事件を多く担当しているという弁護士は限られます。

 

そのため、企業に関する刑事事件については、刑事事件に精通している弁護士であるだけでなく、企業に関する刑事事件以外の民事責任、行政責任、ひいては社会的な道義的責任も考慮して対応が可能な弁護士にご相談されることをおすすめいたします。

 

 

3-1.企業の刑事事件特有の複雑で困難な対応が可能

企業自身が刑事責任を問われる場合、一般の個人の刑事事件とは比べものにならないほど事実関係が複雑になるケースが多いです。

 

証拠資料も膨大で正確に事情を把握するのが困難なケースも多く、対応には高い専門性が要求されます。

 

企業の刑事弁護に精通した弁護士であれば、スピーディかつ適切に資料を集めて解読し、企業や関連する役員の方などに及ぶリスクをなるべく小さくすることができます。

 

弁護活動を有益なものとするには、早期の段階で開始することが大切です。

刑事事件の弁護活動は時間との勝負になります。

各手続には短い期限が決まっていることから、時間が経てば経つほど、対応が遅れてしまい、結果として不利になることも少なくありませんので、企業の存続やダメージを最小限にするためにも、すぐに弁護士に相談する必要があります。

 

 

3-2.社会的な責任を果たし、信用を維持できる

企業が犯罪への関与を疑われると、社会からの信用が大きく低下します。

結果的に企業が無関係または無罪だったとしても、実際には疑われてしまった段階で、社会的には大きく信用が失われてしまいます。

 

ニュースなどで報道されると影響がさらに大きくなるので、マスコミ対応も必要となります。企業として、広報担当者がいるとしても、記者会見などを行うとき、どのような態度をとり、何を話せば良いのか、どのように進めればよいかを適切に判断できる企業は多くありません。

実際、最近では様々な企業の記者会見が行われていますが、対応が不十分、説明がなされていない、言い訳がましい、などの記者会見をご覧になった方も多いと思います。

 

そのような記者会見の場合、記者会見をしたことで、より信用悪化をすることにもなりかねません。

そうなると、記者会見をしない方がいいのではないかと考える企業もありますが、対応が遅れてしまうことで非難を受けることも少なくなく、記者会見をしないことが信用を損なうケースもあるので、適切な判断を冷静にする必要があります。

 

早期段階から弁護士の関与を求めることで、企業へのダメージを最小限にして、少しでも早い再建を実現できます。

顧問弁護士として関与している場合には、刑事事件のみならず、今後の企業の存続や信用回復も継続して対応することができます。

 

3-3.早期の対応をすることで、企業へのダメージを最小限にできる

企業としては、早期の対応が肝心となります。

数日の遅れだとしても、致命的な悪手になるケースも多数ありますので、早期にシビアな判断が求められている状況になります。

 

早期に弁護士にご相談いただければ、状況に応じた対応方法を客観的な立場から冷静にアドバイスすることができます。また、記者会見や各種発表をする場合でも、書類チェックだけでなく、様々なアドバイスや関与をすることも可能です。

必要によって、外部的な監査をしてもらうために、第三者委員会を設置することも検討します。

 

このように弁護士が関与して早い対応をした結果、社会からの信用を少しでも維持したり、企業イメージが損なわれるのを最小限にすることもできます。

顧問弁護士として、普段から事業内容を把握し、企業内部の情報を多く知っている場合には、事実確認の把握が早くでき、より適切な対応が期待できます。

 

外部的な公表時期とは別に、少なくとも企業内部では早期に事実確認、対応方針の決定、各関係者との連携などを並行して早期に進める必要があります。

 

 

まずは法律相談(初回60分無料相談)にお越しください 

企業に関する刑事事件が生じた場合、刑事事件の問題だけでなく、民事の賠償責任、社会的な責任も問題になります。

 

いずれの対応も適切にしなければ、企業にとって大きな経済的ダメージが生じるだけでなく、社会的な信用を失い、ひいては、企業の存続にまで影響しかねません。

 

リフト法律事務所では、刑事事件はもちろんのこと、民事責任や社会的な信用回復も視野に入れた対応が可能です。

企業に関する刑事事件が生じた場合、いずれもシビアな状況になりますので、企業のダメージを最小限にするためにも、早期の相談をしてください。

 

リフト法律事務所では、顧問企業の実績が多数あり、事業主様、企業様のご相談は【初回相談60分無料】です。

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弁護士 川村勝之

大学院時代には労働法を専門的に学び、弁護士となる。2015年にリフト法律事務所を立ち上げる。法律に関する知識に加え、IT関連の知識やコーチングの知識にも造詣が深く、多数の企業の顧問弁護士を務める。

 

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